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会派視察(小野市、姫路市、西宮市、尾道市)

2024年7月10日㈬~12日㈮ 高松市議会公明党議員会派の視察報告

1.小野市「脳科学と教育」:7月10日
2.姫路市「ウォーカブル推進計画」・「ウォーカブルなまちづくりについて」:7月11日
3.西宮市 「コミュニティ交通について」&「どうぞベンチについて」:7月11日
4.尾道市「港を活かしたまちづくりについて」:7月12日

小野市「脳科学と教育」

20年前にゆとり教育の影響で学力の低下が課題。どのようにすれば学力をつけさせられるのか模索していた所、平成17年に東北大学の川島隆太教授と出会った。音読や簡単な計算の時に、前頭前野が活発化するという脳科学を活用し、「前頭前野」を鍛えることが育てる事が「夢と希望をかなえる」と社会全体でベクトルを合わせ進めてきた。
学力の育成と心の育成の具体的な方法として「おの検定」を実施。川島教授の監修も得て教師の専門チームでテキストを作成。小学校は漢字と計算、中学校は漢字、計算+英語のテキストを作成。学力や学習習慣 の定着だけではなく、こころの安定(自己肯定感)においても顕著な成果をあげている。
 重点政策1:おの「16か年教育」
 脳科学の知見を活用し、前頭前野の成長と10歳の壁を意識し、学びの内容を精査。脳科学と16カ年教育の充実とし、特に脳が成長する就学前の教育の充実を図っている。子どもがお腹にいる時から、親と子のコミュニケーションにも注目。脳が元気に働くために必要なものとして(①睡眠、②朝食、③コミュニケーション)を明示。近年特にスマホに子守をさせないで!と訴えている。
 重点政策2:小中連携教育(平成16年~)
 今は一貫教育に発展。発達段階にあわせた指導を行う為、中学生1年生は7年生として切れ目のない9カ年で学びを構成。1~4、5~7、8~9年(4・3・2)。
近年のスマートフォンやゲームが脳の発達を大いに妨げているとして対策を強化している。スマートフォンに関わる実践、生徒会を中心に自らルール作りも行っている。ゲームの長時間化は心身への影響・学習効果を打ち消す可能性を伝えている。
GIGA端末による学びも始まっているが、タブレットの活用は「必要な場面で必要なだけ」、デジタル教科書の再考(紙とデジタルの使い分け)ICT機器の利用によるデジタル生活では子どもの脳は育たない。持ち帰らさない。と強い意志を示しています。インプットだけではなく、脳を働かせる仕掛け(思考技)、アウトプットを意識。基礎基本の学力育成に注力している。
教員は小野市だけでの採用としていることで、ここまで徹底した「学び」を実践できていると学びました。

姫路市ウォーカブル推進計画 「ウォーカブルなまちづくりについて」

車中心の駅前広場から変わる為、平成20年に都市計画の変更。新たな計画に対し70%の市民からアンケートでダメ出し。その後、様々な意見の集約を行うために「姫路駅北駅前比呂が整備推進会議」による協議を重ねてきた。
平成27年に再整備。車線を大幅に減少させ、人が歩いて暮らせる空間に。北駅前広場の整備で「サンクンガーデン」を整備。駅前に水辺空間多くの子供たちで賑わっている。全国で初めて、車両の乗り入れ制限を行う、駅前の「トランジットモール」も整備。歩行空間・環境空間の確保により、26%から67%に大幅改善。
 ウォーカブル推進期計画の概要
 目的:「街に選択多様性をつくり、豊かな生活シーンを生む」
現在の街を分析し、①コンテンツ(街に出かける動機をつくる)、②アプローチ(心地よい歩行環境をつくる)、③沿道空間(道中に新しい発見など予期せぬ「出会いの機会」をつくる。との方針を決め、街への期待が高まり、歩きたくなる歩くことが暮らしを豊かにする都市となるよう、各種施策を実施している。
公共空間地(道路)活用の仕組みとして、活用団体の拡充を図った。庁内組織委体制の構築「ワンストップ窓口」を設置。道路でやりたい企画を姫路市に提出にすると、事前相談とアドバイスを行い、警察などとの調整を行い、その後「公共空間活用会議」で審議し、利用をし易くしている。
取組方針として、短期(検証区域の複数場所で象徴的なプロジェクトの実験)・中期(短期の成果をもとに、中心部の重点区域にプログラムを展開)・長期(推進区域全体で実現、様々な目的地が生まれ、多様な人が集まる)の時間軸で段階的にウォーカブルな環境づくりを推進していく。
 社会実験①交通制御型@中ノ門筋エリア:車の通行止めを行い、地元方が企画し実施。
来場者も出店者も概ね良い評価。運営者からは、地域の合意形成の負担が大きいとの意見。車両規制についての町内からの反対意見はなかったとの事。高松とは違います!
 社会実験②駅前広場の活用
滞留者数が平日2.9倍、休日3.1倍に増加。滞留時間総計も平日10.1倍、休日9.8倍になるなど、社会活動の増加に寄与している。
シャンゼリゼ通りを超える“大手間通り”へとの目標のもと、回遊性がなかった行動から、沿道への機能誘導+地先の一体活用を図っている。
「大手前未来会議」により事業を推進。コアメンバー(地域の大御所)+企画チーム(若手のプレーヤー)で、良いアイデアはスピーディーにブラッシュアップする体制強化を図っている。「歩行者利便増進道路制度」を全国初の指定を受け「ほこみち」の指定。専用者による運営により、公民連携による持続可能な仕組みとしている。

西宮市 「コミュニティ交通について」&「どうぞベンチについて」

コニュニティー交通 
市内5地区を鉄道・路線バスから一定離れている地域を公共交通不便地区として指定。コミュニティ交通を運行している。活動主体を形成し、地域での合意形成、試験運行を経て事業計画を決定。①交通アドバイザー派遣(大学の先生や専門家)②試験運行に対する赤字の補助+会議費の補助③本格運行に 収支率40%維持を補助。
「ぐるっと生瀬」は運行10年目を迎える。コロナ禍を乗り越え1日5便から6便に、そして7便(ぐるっと一周する)に増便。利用率が伸び、収支率も80%を超えている。地域公共交通優良団体国土交通大臣表彰の受賞も。平日だけではなく土曜日も運行している。令和8年に道路の大幅改修が行われるのにあわせて、便の再編を計画している。
・移動手段の確保だけではなく、コミュニティの醸成にも配慮している。
・目的地が明確なのも有効なのでは?
「名塩地区」エリアでは、神戸市との市域を超えた運行エリアが広く、料金を変えている。
通勤時間は走らせず、通院時間に走らせるなど、コミュニティ交通と路線バスの共存を図っている。

「どうぞベンチ」
現市長の公約から、「みんなが暮らしやすく、お出かけしたくなるまち」を目的に開始。
ふるさと納税による寄付金により設置。標準タイプに加え、参道の景観を考慮して、白御影石のベンチも設置。
令和元年に寄付金の受付を行い、2年度7基、3年度45基、4年度3基、5年度3基を設置。当初は、設置場所の制約からも重点的に市内52基に設置。病院や商業施設から200m圏内でバス停との間で設置可能な箇所をピックアップした。その後、市民からの要望箇所を集めたが、設置可能な箇所ではなかったことからほとんど設置できなかった(3か所)。その後、市民からのニーズはあまりなかった。年間150万円程度の寄付が続き、あまり寄付も設置のニーズも高まらなかったため、令和5年度で事業を終了。設置について苦情は寄せられるが、喜びの声があまりないことが残念との事。
コンセプトは良いが、「ベンチ」があるから歩くのではなく、歩行空間を創出しそこに設置することが有効だと感じた。

尾道市「港を活かしたまちづくりについて」

ONOMICHI U2~海や港を核としてまちづくり~
中世・近世を通して、対明貿易や北前船、内科航路船の寄港地として発展してきた港町。
現在も尾道港は、広島空港から40分、JR尾道駅前の好立地に位置し、市内観光の拠点として、また、しまなみ海道への最右リングや船旅の入り口として、国内外に開かれた玄関港としての役割を担っている。
尾道糸埼港尾道港区は平成11年のしまなみ海道開通により、広域交通拠点としてのポテンシャルが高められました。
広島県が「海の道T構想」として瀬戸内ブランド構築の一つの戦略テーマとして「サイクリング」を取り上げ、新たな集客・交流を図ってきた。平成22年には尾道市が主体となり「サイクリングポートみなとオアシス尾道」を開設、しまなみサイクリングの拠点となる。また、老朽化の進んだ県営上屋を「ONOMITI U2」として、官民連携により改修し、ホテルレストラン、サイクルショップ等の複合施設として整備。市西側地区の再開発を行ってきた。
歩いて楽しめる海辺空間の整備を推進しており、ウッドデッキやパラソルの整備。夜間の景観を意識し、オレンジ色の街灯に統一。心地の良い環境を整備している。観光客だけではなく市民の健康寿命増進にも寄与すると位置づけている。
港湾の委託管理を尾道市が委託を受けており、港湾振興課として、重要港湾の委託管理を行っている。これにより港を市が主体者として様々な取り組みを推進している。
「エクスペディションクルーズ」や「シースピカ」を活用した魅力的なクルーズの誘致のため、ランドオペレーターとの折衝を行うなど、多種多様な船が瀬戸内海を行き来し、尾道がその寄宿港となるよう努めている。また、港湾緑地を活用した「海辺のコンサート」など市民と一緒にまちづくりを推進している。
クルーズ船誘致は経済効果だけではなく、シティプロモーション、異文化コミュニケーションで子供たちに良い影響を与えているそうだ
その他、スーパーヨットの誘致なども意見交換を行い、その後「ONOMITI U2」の現地視察も行った。事業者からの説明と意見交換を行い。高松市の北浜アレーの店や島巡りのアクティビティについて対話を行えました。海を舞台に今後もしっかりと連携していきたいと思います。

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